東京都「高齢者いきいき住宅」とは?3つのモデルと住み替えの注意点
年齢を重ねるにつれて、今の住まいについて考える機会が増えることがあります。
「階段の上り下りが負担になってきた」
「一人暮らしなので、何かあったときが心配」
「まだ元気だけれど、これからも安心して暮らせる家を考えたい」
こうした方に知っていただきたい制度の一つが、東京都の「高齢者いきいき住宅認定制度」です。
2026年8月21日に始まった制度で、10月21日には住宅を識別するための認定マークも発表されました。
ただし、認定制度が始まったからといって、すぐに希望する地域で入居できる住宅が見つかるとは限りません。
今回は、制度の特徴と住まい選びで確認したいこと、そして住み替えを考える際の現在の自宅の扱いについて整理します。
東京都の「高齢者いきいき住宅認定制度」とは
この制度は、元気で自立した高齢者が安心して暮らせるよう、見守り機能や人との交流機会などに配慮された賃貸集合住宅を東京都が認定するものです。
対象となるのは、一定の基準を満たした高齢者向けの賃貸集合住宅です。新築だけでなく、既存の住宅も認定対象になります。
東京都が公表している主な要件には、次のようなものがあります。
- 自立した生活を営める人を対象とした賃貸集合住宅であること
- 入居世帯のおおむね8割以上が高齢者世帯であること
- 住戸の面積などが所定の基準を満たすこと
- 住宅の設備や運営などが認定基準を満たすこと
なお、「入居世帯のおおむね8割以上」という条件は住宅側の認定要件です。個々の入居希望者が満たす条件とは区別して考える必要があります。
制度の詳細は、東京都住宅政策本部の「東京都高齢者いきいき住宅認定制度」で確認できます。
認定住宅には3つのモデルがあります
東京都の認定制度では、住宅の設備や取組内容に応じて、3つのモデルが設けられています。
セーフティモデル
見守り機能や防犯対策設備などを備え、入居者同士の交流機会にも配慮したモデルです。
日々の安全性や、周囲とのつながりを大切にした住まいといえます。
セレクトモデル
セーフティモデルの取組に加え、自立した高齢者が安心して快適に暮らせる住環境にも配慮したモデルです。
アドバンストモデル
セレクトモデルの取組に加え、交流を促す施設などを備えたモデルです。
ただし、認定モデルだけで住みやすさが決まるわけではありません。
例えば、交流の場が充実している住宅でも、静かな生活を希望する方にとっては、交流への参加方法やプライバシーへの配慮が重要になるでしょう。
大切なのは、モデルの名称だけで判断せず、自分の生活に合う設備やサービスがあるかを確認することです。
サービス付き高齢者向け住宅とは違うの?
高齢者向けの賃貸住宅としては、以前から「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」があります。
サ高住は、バリアフリー構造などの基準を満たし、安否確認や生活相談などのサービスを提供する住宅の登録制度です。
一方、東京都の高齢者いきいき住宅認定制度は、自立した高齢者の生活を想定し、見守り機能や交流機会などに配慮した住宅を認定する制度です。
両者は同じ制度ではなく、確認すべき基準やサービス内容も異なります。
また、どちらの制度でも、個々の住宅で提供されるサービスの内容や費用、対応時間などを確認することが大切です。
サ高住の制度については、東京都の「サービス付き高齢者向け住宅事業登録制度」で確認できます。
高齢期の住み替えで確認したい5つのこと
住宅の認定や設備だけでなく、実際の暮らしを想像しながら比較することが重要です。
1.買い物や通院に無理がないか
駅までの距離だけでなく、普段利用するスーパー、病院、薬局などへの移動も確認しましょう。
徒歩で移動する場合は、距離だけでなく坂道や歩道の状況も関係します。
今は問題なく歩ける距離でも、将来の負担を考えておくことには意味があります。
2.住宅内を安全に移動できるか
玄関や浴室の段差、廊下の幅、手すりの位置、エレベーターの有無などを確認します。
特に浴室やトイレは、毎日使う場所です。
見学できる場合は、実際に歩いてみると、図面だけでは分からない点が見つかることもあります。
3.見守りサービスの内容は十分か
「見守り付き」と書かれていても、サービスの具体的な内容は住宅ごとに確認が必要です。
例えば、異常を検知した際に誰へ連絡するのか、夜間はどのような対応になるのか、追加費用は発生するのか。
家族への連絡方法も含めて確認すると安心です。
4.毎月の費用を無理なく負担できるか
家賃だけでなく、共益費、サービス利用料、その他の費用を含めて考えます。
入居時に必要な費用や、将来の費用変更についても確認しておきたいところです。
東京都の認定を受けた住宅だからといって、入居者が自動的に家賃補助を受けられる制度ではありません。
住宅事業者向けの整備費支援と、入居者本人への支援は分けて考える必要があります。
5.生活状況が変わったときも暮らせるか
現在は自立して生活できていても、将来、介護や生活支援が必要になる可能性があります。
その場合に外部サービスを利用できるのか、住み続けられる条件はどうなっているのか。
契約前に確認しておくことで、将来の住み替えを考える材料になります。
東京都は、住まいの安全性や交流、運営体制などを整理した「高齢期を元気に過ごすための住宅のガイドライン」も公表しています。
調布市や周辺地域で探す場合は?
2026年10月31日に確認した時点では、東京都の公式ページにある「認定を受けた住宅一覧」は準備中となっています。
そのため、調布市や近隣の狛江市・多摩市に認定住宅があるかどうか、また入居者を募集しているかどうかは、今回確認した公式資料だけでは判断できません。
今後、認定住宅の情報が公開された場合には、所在地や募集状況を確認する必要があります。
一方、住み替え先を探す際は、この認定制度だけに候補を限定する必要はありません。
サービス付き高齢者向け住宅や、一般の賃貸住宅、住宅確保に配慮が必要な方を対象とした住宅なども比較対象になります。
東京都の「TOKYOすまいと|高齢者にやさしい住宅とは?」では、こうした住まいに関する制度を紹介しています。
住み慣れた調布市周辺で暮らし続けたい場合は、制度の名称だけでなく、家族との距離や通院先、生活圏との関係も含めて考えてみましょう。
住み替えを考えるとき、今の自宅はどうする?
住み替え先を探し始めると、現在の自宅を売却するかどうかも気になるところです。
ただし、住み替えを検討し始めた段階で、すぐに売却を決める必要はありません。
まずは、次の住まいに求める条件や必要な費用、入居できる時期を整理することが大切です。
例えば、現在の自宅を売却して住み替え費用に充てる場合は、売却時期と新居への入居時期の調整が必要になります。
一方、すぐには売らずに保有する場合も、固定資産税や維持管理、空き家になる期間の管理方法などを考えておく必要があります。
自宅を貸す選択肢についても、建物の状態や賃貸需要、修繕費用などを確認しなければ判断できません。
住み替え先の条件と、現在の自宅の扱いは、別々に決めるよりも一緒に整理した方が進めやすい場合があります。
自宅を売る・貸す・持つという選択肢については、関連記事の「家・不動産は売る?貸す?持つ?決める前に確認したい5つの判断軸」でも紹介しています。
まとめ|住み替え先と現在の住まいを一緒に考える
東京都の高齢者いきいき住宅認定制度は、自立した高齢者の暮らしを支える住まいの選択肢を広げる取組です。
ただし、認定住宅の所在地や募集状況は、今後の公表情報を確認する必要があります。
住み替えを考える際には、認定の有無だけでなく、毎日の生活のしやすさ、費用、見守りの内容、将来の生活変化への対応などを比較することが大切です。
そして、持ち家からの住み替えでは、次の住まいだけでなく、現在の自宅をどうするかも重要な検討事項になります。
株式会社ぐに不動産では、売却を決める前から、ご自宅のこれからについてご相談いただけます。
まずご自身で状況を整理したい方は、「家と暮らしのこれからガイド」もご利用ください。
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